2008年03月16日
命を試すラーメン屋

山をひとつ越え、潮風が吹き抜ける場所に、そのラーメン屋はあった。
海岸沿いに、まるで自分の命を試すかのように佇んだこのラーメン屋は、地元漁師達の憩いの場。中心地から外れたこの街で暴利を貪るなんてこととは無縁。
営業時間も朝11時半から昼の2時までで終わってしまうところに、儲けるために開かれたというより、地域住民の生活のために息づいたといった方が正しい。今回は海の見えるオアシス、ラーメン加代をご紹介しよう。

まず、店内に入って一番に驚かされることは窓から海が望めることで、ちょっと屋形船を連想させるロケーション。
厨房からも海が眺められて羨ましい旨話したが、もう慣れてしまって何も感じないと女将の素っ気ない答えが返ってきた。それもそうだと納得したが、こういうシチュエーションで働いてみたいと思うのは記者だけではないはずだ。
ただ、良い面ばかりじゃないことはどの仕事でも言えることで、台風のときなどは波が窓まで打ち寄せるというから、やはり命を試しているとしか思えない。

でっ、肝心の味だが、このようなところでまさか絶品の豚骨ラーメンに出逢えるとは誰が想像できるだろう。女将は毎日毎日同じ味に仕上げるのが難しく、こんな仕事するのじゃなかったと謙遜していたが、久留米ラーメンを思わせるようなバランスの良さは特筆物だった。

スープは旨味タップリで後味がとても甘く、ドロリと舌にすがりつく粘度はとてもクリーミー。麺は中太で若干の張りがあるストレート。チャーシューも甘味がシッカリと染み込んだトロ・ジュワで文句なし。豪華な味わいではないが、飽きのこない万人ウケする仕上がりはとても良い。

この味に、このロケーション……日本全国のラーメン喰いが泣いて喜ぶ特別な一軒になることはまず間違いない。
撮影場所 大分県佐伯市 ラーメン加代



