2008年02月16日
黒豚を炙ったら〆の麺
牛の身肉の色は“赤”が強く、文字通り赤身と呼ぶに相応しいが、豚肉の場合はちと違う。まるで桃のような鮮やかなピンク色をしている。
この柔らかなイメージは何となくこのまま食しても美味しそうに感じるが、イケないイケない。肉は熱を加えてこそ旨くなる食材、この黒豚ロースのように薄くスライスされたヤツはサラリと炙り甘味を引き出す。
プレートに寝かせ、赤身に軽度のヤケド、脂に甘露の命を吹き込んだら即座に口の中へ。食感が滑らかでサラリと消えていくが、舌に残る甘味の余韻は長くベリースイート。豚バラのあとのデザート的な感覚で食してもらいたい。
また、ここでは他でお目にかかれないような分厚くカットされたベーコンを愉しむことも出来る。硬くならないように焼き目をつけ、何もつけずに食す。雑味のない脂と肉の味わいはピュアで、子供からお年寄りまで万人ウケする一品だ。

最後は〆の麺。魚のエソを焼き、身肉をほぐしたものとゴマをすり鉢であたりながら醤油などの調味料で味を調える。ペースト状に仕上がったものが、“美味しんぼ(77巻)”、“はなまるマーケット”、“知っとこ!”でも紹介された“佐伯んし”のソウルフード、ごまだしだ。
魚のコクとゴマの香ばしさが織り成す味わいは“即席”でできるものとしては世界一の完成度で、佐伯んしじゃなくとも常備しておきたい調味料。
このソウルフードを使ったものとして一番人気なのがごまだしうどん。ごまだしを湯に溶かすだけで本格的な出汁の風味を愉しめる一品で、ほとんどの食堂で用意されている。しかも、店によってそれぞれ特徴があり、調味料や使っている魚が違うためバリエーションに富んでいて飽きが来ない。
でっ、ここのごまだしうどん…名前をとんきちうどんと言い、他の店とは違った強いコクがある。豚の脂を散々味わったあとなのにドッシリと伝わってくる旨味。おそらく、使っている魚が違うのだろうと思われるが、こればかっかりは店主も教えてくれなかった。次回はきっと…。
さて、二回に渡ってお送りした黒豚専門焼処・とんきち。“本格派”にこだわった店主が活きの良い豚肉を提供してくれるという印象を持った。魚処の土地に誕生しただけに大切にしたいと思うとともに、より一層の努力を店主には求めたい。とりあえず一度行って実力を見極めて欲しい店であることは間違いない。ぜひ。(おわり)
撮影場所 大分県佐伯市 黒豚専門焼処・とんきち
2008年02月14日
黒豚を炙る!
大阪では“肉”といえば牛肉のことを指し、“肉まん(中華まん)”のことも“豚まん”と呼ぶ。ただ、この店で豚を喰らってしまったあとも呼び方を“区別”できるだろうか。

昨年の7月、満を持して大分県に初の黒豚専門焼処・とんきちがオープンした。ここは、タン、ハツ、ホルモンと、牛ですらヤバイ部位を惜しげもなく供してくれる文字通りのリアル専門店で、店主が語り出したときの目つきと口上はかなりキタ。

仕入れられたモノも間違いがなく、好き嫌いの分かれるレバーも問題ない。新鮮で活きが良いから、あの重苦しいクセはゼロ。味わいも肝の深いコクが損なわれずシッカリと堪能することが出来る。騙されたと思って一度やってもらいたい。
次に頼んだのは“肉”といえる部位、カルビ。焼肉界では代名詞的な存在で、注文する際には必ず頼む一品。だが、豚にも同じ味わいの部位がある。ここでは黒豚バラと呼ばれているが、バランスのとれた旨味と甘味はカルビのそれで、アッサリした後口は牛肉を凌ぐ。
また、豚肉は良く焼くことが“掟”となっているが、指令が下ったのはコブクロ(子宮)とホルモン(つまり内臓系)のみ…次回はその辺の理由についても探ってみたい。
この他にもカシラ(頭肉)やトントロ(うなじ)といった脂の味わいを愉しむための部位が揃っているから、一度試してみると良い。明日はいよいよ甘~いヤツ。(つづく)
撮影場所 大分県佐伯市 黒豚専門焼処・とんきち



